目下の中国の離婚家庭を見ると約80%が80后、つまり1980年代生まれの若者夫婦になっている。業界関係者はこの数字は正常値を優に越えおり、彼らの責任感のなさ、女性の過分な強勢が産む失衡、家庭経済圧力が離婚の大きな原因となっていると指摘する。
◎80后離婚理由“三無”目立つ
北京市婚姻家庭建設協会が開催した経験交流会で、大興区民政局のある婚姻登記職員が提出した論文によると、約80%の離婚家庭が80后であることが明らかにされている。大興区民政局婚姻登録科科長は、大興区と市全体の情況をみても、80后が離婚人群の高い比例を占めている現状は同じだと語る。
既婚80后人口は婚姻人口全体の僅か20%。これは、彼らの離婚率がその他年齢層より10倍以上高いことを意味する。驚くべき数字と言えよう。
80后からすると離婚は簡単で素早いもののようだ。彼らの多くが「三無」、つまり「無子女」、「無(共同)財産」、「無(共同)債務」で、如何に80后の婚姻期間は短くまた何の生産性もなかったかが伺える。
◎感情が脆弱 一年で三回結婚を考える80后男性
若者の離婚率が高い理由は、離婚手続きが簡単だからという理由だけではない。冷静になる期間、諭すサービス措置なども上述した婚姻登録科は提供しており、また経験からもそれほど勢い余っての行動でもないという。婚姻登録科に勤める有る女性職員は、高離婚率の背景には社会全体にある焦燥感が影響しているという。また一人っ子時代ゆえの人生観、価値観も総合的作用を生んでいると指摘。
「80后の彼らは結婚に対して責任意識が希薄。」無数の案例を検証した彼女の感想だ。例えばちょっと前、彼女はある案例に遭遇。家庭条件に恵まれた80后の男性小李は、一年に3回も結婚を考える恋愛を経験。先ず会社の同僚女性と結婚の準備。しかし結婚式の準備で意見衝突、別れる。別れた後彼はまた別の同僚女性と恋に落ち、同じく結婚準備をしている際に矛盾を感じ別れる。そしてその数ヵ月後、小李は自分の婚礼を手伝ってくれた婚姻会社の社員とゴールイン。「三回の恋愛感情は実はすべて脆弱だったと言える。特に本人が自分を見失っている。何が大事なのか分っていない。」と感慨深く語る。
一方で彼女は、多くの離婚案例から、女性の強勢、堅持が目立つという。女性が権利を持つようになり地位も高くなり、伝統的な家庭平衡が保たれなくなっている。女性男性に限らず、大多数の80后は相互妥協、和平共存といった準備が整っていない。双方で容認に欠け、それが若者の離婚の主な原因の一つとなっているという。
ある若夫婦は同居8年を経て、証明書受領に半年かかっていた際、男性が突然離婚を言い出し、相手側の女性は興奮して街中で車にぶつかろうとしたという。ここまで来ると若気のいたりでは済まされない。他にも相手の男性が“父母との関係断絶以外は何でも言うことを聞く”と語ったことから女性が離婚を決意したという例もある。
他にも夫婦自営店の規模を広げすぎた、経済圧力が激増した、仕事が忙しく自己精神健康が出来ない、人との交流能力が弱いといった事柄が離婚に繋がるケースもある。
◎婚姻登記部門が和解サービス
大興区民政局婚姻登記科は専門に婚姻家庭質疑応答チームを結成。今年に入り既に100組の離婚目前夫婦を元のさやに収めたという。この成功例を元に、門溝頭区、房山区は更に市区県全体にこのサービスを普及させていく計画だという。しかし、大興区は今年100組の夫婦仲を改善したといっても、上半期全区としては依然1000組以上の夫婦が離婚している。
北京市全体では、今年に入って以来三万組近い夫婦が離婚をしている。北京市の離婚数値は連続6年増加。2010年の離婚夫婦数は32595組。2004年の21013組と比べ11582組増え、比率は50%強の増長となっている。